財布の帰還

事のてん末を書いてみよう。

月曜日、ブログを書いてから外出して、丸善で雑誌とボールペンの替え芯を買
う。
商店街をブラブラしながら、たまに行く食堂に向かう。
時間的に混んでるかなと思ったが空いていた。ラッキーだ、ここにしよう。
やはりビールを頼む。そりゃ飲むよね。

一時間ほど居てからDAISOであれこれ物色。

ジッパーで出来たペンケースを買う。
それから紀伊國屋に向かい、そこで腰掛けてネタ出し。
あまり出なかったのですぐ移動。
酔いの回った体を引きずるように無印良品に向かい、
しばらく冷やかしてから帰宅。

何か食べるものを買おうと近所のコンビニに寄る。
ここでようやく財布がないことに気づく。焦る、大変焦る。
記憶を逆にたどってどこで無くしたか考えるのに時間がかかる。

DAISOでは小銭入れを使ったしな。
そこで、食事をしたときの可能性が一番高いことに気づく。
時間的に今日は閉店しているだろう。だが店名も電話番号も実は分からない。
たまたまそこの定休日を聞いていたのだった。明日だよ。
落とし物はするが、なくし物はしないと言う確信めいたものがあるので一日待
とう。

明けて火曜日、九時半頃未登録の番号から着信がある。
番号を確認するとクレジットカードの落とし物センターだった。
さては、と折り返すと営業時間外なのでかけ直せと録音アナウンスが言う。
なんじゃそれはと思ったが、仕方が無いので営業開始まで待ってから改めて電
話する。

果たして財布に入れていたクレジットカードの会社からだった。
昨日あなた名義のカードを拾得したと連絡を受けたので確認してくれと言う。
はいはい私です私が落としましたお手数かけます、と早口で伝える。

やはり食事をしたときだった。
店名と電話番号を聞く。やはり今日は定休日とのこと。
営業時間は十一時から五時。
その時間内に店に行き、必ずカード会社から電話があったことを伝えろと言わ
れる。ミスを防ぐためだろう。

分かりました分かりました必ずそうしますどうもありがとう、などと伝える。
電話を切った後どっと疲れを感じる。やれやれだよ本当にやれやれだ。
とにかく後は明日だ。今日はもういいや、などという油断が落とし物につなが
るのですね。ご用心ご用心。

待ちに待った水曜日。先に駅に行ってICOCAをチャージする。
それから件の食堂へ向かう。なかなか恥ずかしい。
まっすぐレジに向かい、カード会社から連絡があった旨を伝える。
向こうも覚えていたらしく、すぐに財布を出してくれた。
もごもごと、礼と手間をかけた詫びを言う。
すると、すぐに気がつかなくてごめんなさいと言われ、ますます恐縮する。
そのまま逃げるようにその場を去る。何も悪いことはしてないんだけれどね。
恥ずかしいからね。

 

こうして私の財布は二日間の外泊を終え帰宅したのだった。